2014年4月26日

Vol.34:福利厚生は費用ではなく利益!?中国版IFRSについて(2.4)

今回は、中国版IFRSの興味深い会計処理を紹介しましょう。

私ども監査法人アリアでは、海外関係会社を持つクライアントが多く
いらっしゃるので、頻繁に外国の財務諸表を目にする機会があります。

決算期等の関係で、特にこの時期よく見るのは中国の財務諸表です。
もちろん、中国版IFRSの財務諸表です。

中国版IFRSは、従来の中国独特の会計処理を見直し、IFRSに近づけましたが、
まだ一部にIFRSが適用しきれていない独特の会計処理があるのが現状です。

その独特の会計処理で、特に面白いな、と思う会計処理は、福利厚生に関する
会計処理です。日本であれば、当然、費用たる福利厚生ですが、なんと、中国版
IFRSでは、福利厚生に関する項目を、利益処分として積立てるのです!

この福利厚生のための積立基金を「従業員奨励福利基金」と言います。
この「従業員奨励福利基金」は、日本の利益準備金のように、利益分配の前に
法律で積み立てることが求められる積立基金なのです。

労働組合などの集団福利に用いられ、企業の事業のために使用することが
できません。

なるほど。社会主義の国だから、福利厚生は、法人から出た利益から均等に
分配する性質のものなのだ、と感心しました。

福利厚生のような一部の会計処理を除いて、IFRSに準拠している中国版IFRSは、
2006年に適用されています。日本ではIFRS適用の是非を巡り議論が絶えませんが、
海外では、既に多くの国でIFRSが導入されています。

私どもの手許に届く各国のIFRSの財務諸表の数々は、近年のビジネスの
グローバル化を痛切に感じさせます。

英語が話せて当然のビジネスシーンに遭遇するように、今後は皆さまも
IFRSの財務諸表が理解できて当然、というシーンに出会うことが多いと
思います。

なんといっても、

海外関係会社や海外得意先の財務情報がIFRSなのですから。

さて、IFRSの財務諸表を理解するためには、もちろん、体系的にIFRSを学習
するのがベストです。また、ひとまずIFRS検定試験等でご自身のIFRS理解度
をチェックしてみる方法もあります。

IFRS検定試験は、ICAEW主催の国際会計基準検定で、国際的な試験ですが、
日本では日本語で試験が行われるので、とても受験しやすいようです。

自分に合った方法を見つけIFRSを理解し、それから各国のIFRS財務諸表を
見ると、国ごとの特色・歴史が垣間見える興味深い発見があるかもしれません。

(文・監査法人アリア
中台 弘樹


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Vol.34:福利厚生は費用ではなく利益!?中国版IFRSについて(2.4)
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Vol.01:IFRSの「資産・負債アプローチ」の本当の理由をご存知ですか?
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